心をすくう二番目の君
瞼の向こうに橙色の光を感じ取り、意識が呼び覚まされた。
泣き疲れ、いつしか眠っていたらしい。
窓の外を見上げると、既に日が傾き始めていた。
自ら決断したはずなのに、今になって撤回でもしたい衝動に駆られて来る。
ひとりで過ごすこの時が心細く、スマホの画面に連絡先を表示する。
通話ボタンをタップすると、2回程コール音が鳴ってから、直ぐに明るい声が受話口から届く。
『はいはーい。花澄?』
「……紫夜……」
声の主に力なく呼び掛けると、即座に異変を察知したらしい。
『あれっ!? 何かあった!?』
「…………別れた……」
『クズ男と!?』
「……それとも別れたけど……」
何と説明すれば良いのか思いあぐねて、黙ってしまったわたしに代わって声に乗せる。
『……好きな人?』
「……うん……」
暫し考えているような間が流れた後、彼女が提案する。
『私今日、暇してるんだけどさー。今晩、お祭があるよ』
「…………」