心をすくう二番目の君
ハスキーな声に振り返る。置局担当の有地《ありち》さんだった。
確か、レポート発表の日にも何か訊かれたような記憶がある。
「まだですよ……待ってるとこです」
「そっかー、ソワソワしない? この期間。決まると良いな」
ラフなシャツ姿の長身が、掌を広げておどけて見せた。
パーマの掛かったトップの髪が揺れる。
「そうなったら有地さん、また置局のことも教えて頂けますか」
「やっぱり、社員受かった人って積極的にアレコレしないといけないんだ?」
課長との打ち合わせや面談の内容から、その圧は強く感じていたので、頷いておく。
置局は鉄塔やアンテナを設置する現場状況を調べ、ビルオーナーや土地所有者との折衝を行う。
その為、コミュニケーション能力の高い人が多いイメージだ。
中でもこの人は軽そうな雰囲気があり、どちらかと言えば苦手なタイプなので、仕事以外では当たり障りない相槌を打つ程度だった。
「いいよ、任せて」
手を挙げて去って行く後ろ姿を追い、小首を傾げた。