心をすくう二番目の君
測量士補は毎年5月に行われる国家試験で、会社から補助が出るらしく熱心に受験を勧められている。
一般的な勉強期間は半年間と言われており、今から準備すれば合格は見えてくるだろう……と、楽観的に捉えていた。
「……解らない…………」
テキストを放り出し、自宅のテーブルで項垂れる。
測量学は元より、中学レベルの数学ですら怪しかった。
正直言って数学は大の苦手で、完全に文系なのだ。
こんなわたしが設計室の社員なんて、道を誤ったかと後悔しそうな程だった。
大学は建築学科に通っていたが、何しろ絵だけで入ってしまった為、授業に付いて行くのも一苦労だった過去を彷彿とさせた。
まさかこの歳になって数学を猛勉強する日が来るとは思ってもみなかった。
突っ伏していると、ふとテーブルの上で黙っているスマートフォンが目に留まり、僅かに見つめてから瞼を閉じた。
それでも、やることがあって助かった。
暇を持て余していると、要らないことを考えてしまう。