心をすくう二番目の君

「花澄……」

僅かに掠れたような声で呼びながら、そのさなかも組み伏せた身体へ働き掛け続ける。
既に身も心も蕩けそうな程に、手足を脱力させて荒い息を零していた。

頭上を見上げると涙の滲んだ視界に、彼の胸元が飛び込んで来る。
腹部にかけ、美しく均整の取れた身体に見惚れた。
もう触れられないと言い聞かせていた春志の肌が、幻じゃない。
虚ろに目線を漂わせたまま、気怠い腕を伸ばし、触れた。

「……春志……来て…………」

ゆっくりとした動作で、再び春志とひとつに繋がる。
長い睫毛を伏せた堪えるような顔は恍惚としていて、胸が熱く震えた。
彼の重みを受け止めながら、高く盛り上がった肩甲骨のラインをなぞる。

「……は……っ……」

まだ緩やかに揺すられているだけなのに、身体の奥がびっくりする程熱くて、本当にひとつに溶け合ってしまうんじゃないかと錯覚を抱く程だった。
我を忘れそうで、だけど離したくない温もりをいつまでも心に留まらせていたかった。

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