心をすくう二番目の君
何か嫌な予感がして、そろりと振り向いた自分の顔は苦笑いだろう。
「……中薗先輩?」
額に頬杖を付いて顔を俯けた人が、肩を震わせて明らかに笑いを堪えている。
「……解りやす過ぎ」
「……嘘? 嘘ですか??」
「見たら解るでしょ」
「酷っ……からかったんですねっ!?」
堪らないといった様子で顔を上げ、声にならない声で大口を開けてお腹を抱えている。
その様が可愛らしくて、入り混じったときめきと怒りに混乱して反論する気は失せてしまった。
「もう……案外子どもっぽいことするんですね」
「男なんか皆、子どもだろ~?」
クールな人かと感じていたから、意外だった。
ちらりと横目で視線を送ると、もう平然とした涼しい顔で画面に向き直っていて、やはりよくわからない。
「そうアンテナだけど、今回は新しいやつだから全部描いてもらうし」
「え、そうなんですか……結構大変ですね……」
唐突に仕事の話に引き戻され、文句を垂れつつも背筋を伸ばす。
アンテナや無線機といった型の決まった機械は、先に仕上げた図面からの引用が多い。
「いや、嘘だから。ファイル探してんのに騙されんなよ」
「また……っ!」
騙された!
またしても可笑しそうに目を細めている前の人を恨みがましく睨んだが、全く動じない。
「中薗先輩! エイプリルフールはとっくに終わってます!」
抗議を申し立てたが、依然けらけらと軽い笑い声が響いていて、煩い鼓動は収まりそうもなかった。
解っている。情けないことに、わたしは騙されやすい。
だけど騙されたこっちがこれ程までに胸ときめかせてしまうなら、悪くないかもしれないなんて、危うい考えが過ぎってしまった。