心をすくう二番目の君
線を伸ばす。円を描く。オブジェクトを回転する。
ずっとその繰り返し、やり直しばかりだ。
日々、中薗さんを始めとする設計士から修正の依頼が来る。
「ごめん、重機入れないから設計変わった。今日中に直せるよね?」
「……了解しました~……」
コツコツした、根気の要る作業だ。肩が凝って仕方ない。
午前中の終わりに年度始めの面談が執り行われた。
「……では、修正して提出をお願いします」
「わかりました」
業務振り返りの打合せも滞りなく方が付きそうだ。
これが終われば休憩にありつけると安堵したも束の間、向かい側の席から課長が告げた。
「そうそう、来月ES活動の一環でランチ会があるんだけど、どうだろう」
「……ランチ会……ですか」
「他部署との相互交流を図る目的でね。……今後の進退に備えてというか……出ておくとアピールになると思うんだけどな~。まぁ、即答しなくて良いから考えておいて」
にこにこと取り入るような笑みを向けられ、小会議室を後にする。
そういった交流会の類は、役職の付いている社員は参加しているイメージだ。
考えるよりも先に射場係長の顔が浮かんだ。
あまり公の場で顔を合わせたくない意志が働くが、相互交流自体にも然して興味がなく、進んで行きたいとは思えなかった。
しかも“今後の進退”という身の処し方を問うような誘い文句に、拒否感を抱く。
これが従業員満足度を上げる活動なのかと、溜息が出た。