心をすくう二番目の君
小椋さんに窘められ、0時を回る前に別れた。
彼女の言い分も最もだと思えたからだ。
今日の俺の行いは無論褒められたものではなく、以前からの寧実に対する罪悪感を益々強める結果となって、胸にしこりを残した。
それでも尚、出来れば寧実を傷付けたくなかった。
日付が変わり部屋の最寄り駅に到着してすぐ、着信が入った。
『27歳おめでとー!』
「……ありがと」
『今、何してたの?』
「今? 駅まで帰って来たとこ」
昔よりも寧ろ最近の方が、寧実からの連絡は密になっている。
まるで待ち構えていたかのように──……なんて、心の何処かで薄ら漂わせている。
『……何処か行ってたの?』
「ん? 会社の人と飲んでた」
『……女の人もいたの?』
「……いたけど」
『……ふーん……』
「……」
以前は詮索めいた質問を返して来るようなことはなく、スケジュールを逐一把握しようといった動きもなかった。
学生だった期間の方が長く、報告し合うような習慣にはなっていなかったのだ。
これまで寧実以外の女性とふたりきりでの食事はほぼなく、場を共にした男性の話題などを付け加えて来た。
しかし今回はどうも取り繕う気が起きずに、適当な受け答えになってしまった。