心をすくう二番目の君

*

「花澄はじきに3年だろ。見極めが入るから、手は打っておいた方が良いよ」
「……射場係長、やっぱりそういうこと言うんですね」

「ふたりの時は“係長”はやめろと言ってるだろう」
「……創一さん」

腕を立ててわたしの上に覆い被さる人が、影を落としている。
整った険しい顔を見上げながら思った。多分わたしはこの構図が好きなんだな、と。
見下ろされて、征服されているような、呪縛されているような気分に囚われるのかも知れない。
何やら変態めいている、などと冴えた頭で考えながら、髪を掻き分ける手指の心地好い動きに目を細めた。

「係長として言ってるんじゃなくてさ。大体係長なんか特に権限ないし。でもやっぱり組織に属しているからには、そういう交流会とかにも積極的に参加して顔を売っといた方が得だろ」
「はぁ……」

唇を尖らせて頭上の人を見上げた。
余裕を感じさせる涼しい顔が憎たらしく、誘ってみたくなった。
太い首に腕を絡めると、スプリングが沈み込み音を立てた。

「……今は、そんな色気のない話、やめませんか?」

微笑んで見せると目の前の人は眉根を寄せ、難しそうな、だけど切なげな表情を浮かべた。
首筋にキスを落として、指先がわたしの服の上を滑り出す。
無骨で大きな掌を腿の付け根に這わせた時、甘い囁きが漏れ出てしまう。

「あ……っ」


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