心をすくう二番目の君

俯いたまま、疑問を声に乗せた。

「……峯田は、結婚の決め手って何だったの?」

昨年入籍し、今は奥さんがお腹に新たな命を宿している。
披露宴での、それまで見たことのなかった幸せそうな表情を思い起こした。

「そりゃー、一生この子に振り回されてんのも良いなって思ったからかな。それが居心地良かったし」

即答が来て、目を丸くした。
顔を上げると、面白そうに笑って煙草の箱を取り出している。

「峯田……お前、案外色々考えてんだな……」
「たりめーだろ、人生経験が違うっつの」

この男は一浪していて確かに年齢はひとつ上だが、歳のことを言っているのではないだろう。
当時はいつも別の女を連れているような、いわゆるプレイボーイだった。
俺は寧実としか付き合ったことがなく、認めたくはないが未知な部分は多かった。

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