心をすくう二番目の君

瞳を閉じて、気怠い身体を横たえていた。
鼻の先を掠める慣れ親しんだ匂いに、今日も終わりがやって来たと虚ろに過ぎらせた。

瞼を上げると節榑立った指に挟まれた煙草と、漂う煙が映り込んだ。

シーツの上に無造作に放られた箱をそっと取り上げ、改めて眺める。
若年層には馴染みが薄い、Pから始まるこの銘柄を知ってから1年半余りが経つ。
創一さんはわたしより5つ歳上なだけでまだまだ若い。「吸ってると『渋い』とかよく言われる」と零していた。
独特の甘い芳香に毒されたように、いつまでも此処から動き出せない。


わたしは何故、この関係を精算出来ないのだろう。
こんな生産性のない恋愛に、貴重な20代を浪費し続けるのは、何故なのだろう。

始めは、二番に甘んじているつもりはなかった。
そもそも、他の人が居るなんて知らなかった。
いずれは結婚も視野に入れたお付き合いだと思い込んでいたのだから、笑ってしまう。

< 21 / 209 >

この作品をシェア

pagetop