心をすくう二番目の君
「……あの。やっぱり机上で図面を描いているだけだと、実際の工程がどんな風に進んでいるのか、いまいちわからなくて……。現場に行かれて、距離測ったりされてるんだろうなとか、何となくは解るんですけど」
「……そうそう、測量したり、電気と通信何処から引き込むか見たり。施工の人に任せることもあるけど」
言葉を選びながら続きを口にしたが、案外楽しそうに語る声が戻って来て拍子抜けする。
じっと耳を傾けていると、同じだけ返すように瞳を合わせる。
いざなうような眼差しに釘付けになった。
「知りたかったら詳しく教えるけど……小椋さんて、もう結構長い人?」
「……あっ、そうですよね。辞めちゃうんだったら、教えても意味ないですもんね」
言われた意味を理解して軽く口角を上げて見せたが、苦笑いになってしまった。
「社員になる可能性もあるでしょ? それとも、望んでない?」
真摯な視線に身体を強張らせる。
どう答えて良いのか思いあぐねながらも、この人に聞いて欲しい衝動に突き動かされた。
出会ってまだ半月程度なのに、頼りたい欲求が湧き起こるのは何故だろう。
「……よく、わからなくて」