心をすくう二番目の君
ビルを後にし、駅までの道筋を並んで歩く。
中薗さんの後方、ビル群の隙間に、綺麗なオレンジ色の月が浮かんでいた。
「……小椋さんてー……俺と同じような歳に見えるんだけど……いくつ? 俺は、今年27」
「……あ……同じです」
わたしもずっと似たような疑問を抱いていた。
嬉しい答えが返って来て、思わずはにかんでしまう。
気恥ずかしく足元に視線を落とすと、ローファーがコンクリートと擦れてジャリッと音を立てた。
「まじ? 何月?」
「7月です。中薗先輩は……春生まれですよね?」
「……またそれ……ていうか同い年なら敬語も要らないし。何なら呼び捨てでも良いし」
「無理です」
にっこり笑って無茶振りを一蹴してみると、またしてもけらけらと軽やかな笑い声を上げている。
息をついたかと思うと、片眉を下げて気を許したような笑顔を覗かせるから、心臓を掴まれたようだった。