心をすくう二番目の君
自席へ戻りすがら、ランチへ出たその足で設計室へ帰って来てしまったものだから、スマホをロッカーへ仕舞い忘れていたことに気付いた。
午後の業務開始が迫る中、慌てて更衣室へ向かう。
鞄へ入れ込もうと持ち上げると、点滅しているランプを捉えた。
何となしに胸がざわめいたが、そのまま画面のロックを解除した。
メッセージが届いている。
差出人は創一さんだった。
『今夜、会えないか?18時にいつもの場所で待ってる。』
「…………」
目を通して暫く、姿勢を崩さずに視線を落としていた。
社内外の場所に関わらず、彼との密会は決まって唐突に呼び出される。
それもあの人の中で何かがあって、むしゃくしゃしているだろう時に声が掛かると、薄々感付いている。
よくもまぁ、婚約者と会った後でぬけぬけとこんな連絡を寄越して来るものだと、溜息が小さく零れた。
衝動に駆られて、その場で返事を打った。
『今日はそんな気分ではないので、お会いするのは止めようと思います。』
断りを入れる際は、常に当たり障りない理由を付けていたが、そうするのが癪でストレートに記した。
既読が付くのを見届けずに、すぐさまロッカーへと押し込んだ。