心をすくう二番目の君

「仕事の悩み? それとも……“あの人”の方?」

気が進まなかったが致し方なく、瞼を伏せて絞り出す。

「……“あの人”の方……です……」

苦く歪ませてしまった表情を頬杖を付いたまま見つめられ、漸く疑念が芽生えた。

……今の状況は、浮気に当たるのだろうか……?
しかし、そもそも創一さんとは付き合っているかどうかすら怪しい。
わたしが誰と飲みに行こうが勝手じゃないか?

「誰にも話せなくて辛かったんじゃない? 話聞くだけなら、出来るよ」
「…………」

暫し返事を迷っている間にカウンターから前菜盛り合わせが出され、右隣から筋張った手が伸びた。
受け取り、テーブルの真ん中に置いてくれる。
美しい彩に浮き立つ心と、情けない現状に落ち込む心がせめぎ合っている。
申し出は嬉しかったが、こんな馬鹿女っぷりを晒しては呆れ返られるんじゃないかと躊躇った。

「大丈夫だよ。呆れたりしないし」

心を読まれているのかと汗をかいていると、意外な吐露が続けられた。

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