心をすくう二番目の君
あの着信には何の返事もしなかったが、特に休暇中連絡が続くようなことはなく、胸を撫で下ろしていた。
「早速現場出てるみたい。戻ったら連絡させるねー」
声を掛けられ我に返った。慌てて体裁を整える。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
お礼を告げ廊下へ出ると、背後から直ぐにドアの開く音が聞こえた。
怪しい雲行きを感じ取りながらも、そろりと振り返った。
「小椋さん」
追い掛けてくるような気はしていた。
「……あの、さ」
彼が上司である手前、黙って続きを待ったが、先日の一件が脳裏を過ぎったのだろう。
自らの態度を顧みると、半身に構えていた。
「言いたいことがあるなら、聞くから。そんなに警戒しないでよ」
「…………」
案の定食い下がっては来たものの、何時になくしおらしく拍子抜けした。
こんな創一さんは見たことがなく、目を白黒させる。
「話そう。酒も飲ませないし……外でお茶だけで良いから」