心をすくう二番目の君
定時を過ぎ、待ち合わせ先へ歩を進めながら、いよいよ切迫した正念場を思うと胸の動悸は増すばかりだった。
慌ただしい終業間際も、呪文の様に唱えていた。
付き合っていたのか疑問であるにしろ、これは別れる為の話し合いなのだと。
別れる、別れる……!
念じながら店へ到着した。自動ドアが開くと、既に席へ着いている彼を見つけた。
「お疲れ様です」
ひと当たり挨拶をして、奥の椅子に腰掛けた。
向かいの人は手を組んで黙っている。やって来た店員にアイスティーを注文した。
しかめ面に見える人にあまり話し掛けたくなく、話が切り出されるのを待った。
冷えたグラスが運ばれてシロップを注ぎ入れていると、漸く口が切られた。
「怒ってるんだよな」
「……」
前の人は、コーヒーカップに目を落としている。
耳を傾けていると、更に続けられた。
「ごめん。俺が考えなしで……花澄を傷付けたと思う」