心をすくう二番目の君
「……そうじゃないです……」
「それなら、俺と一緒に居てよ」
熱心に訴え掛けられて、次第に自分の心がよく掴めなくなって来る。
不安なのはわたしも同じだと気が付いた。
創一さんと別れたからと言って、中薗さんと付き合えるわけじゃない。
そんなことは、理解していると思っていた。
今になって、改めて実感を持つ。
店内の騒めきを、逐一耳で拾っているかに思えた。
目の前は暗く、足元が崩れ落ちそうな感覚に陥った。
移ろい始めた一貫しない心を、反映しているようだった。
きっと中薗さんは、彼女と別れない。
ひとりになったわたしは、彼を諦められるだろうか。
これからも一緒に仕事をして行かなければならない。
わたしには誰も居てくれないのに、たったひとりで──
いつかは結婚したいと人並みに夢見ては居た。
だけど、こんなわたしが結婚なんて、出来るんだろうか。
この人と別れたところで、真っ当に恋人が出来るとも思えず、自信が持てなかった。