心をすくう二番目の君
浅い眠りから現実へ引き戻され、瞼を上げた。
見慣れない天井が映り込む。
部屋は闇に包まれており、外に繋がるドアや窓すら確認出来ない。
それでもただならぬ気配を察知し、恐る恐る隣に顔を向け目を凝らした。
逞しい肩を上下させ寝息を立てている人が、横たわっていた。
カフェから出た後の記憶は、曖昧だった。
状況と思考回路に呑まれて、自らを追い詰めた。
頭が上手く働かないところへ、お詫びしたいからと粘られて、ダイニングレストランへ入った。
酒を勧められたことは覚えている。
自分を必要としてくれる人に縋るようになってしまったのは、夢を諦めた頃からだ。
若い頃は、なんの根拠もなく、いずれは夢を仕事にするのだと信じ込んでいた──
静寂のなか起き上がると肌寒く、裸の胸元へ布団を引き寄せた。
心の脆さにほとほと嫌気が差す。
「……っ」
背を曲げて膝に顔を埋め、嗚咽を噛み殺した。
わたしは何時までも変われない。
しがない薄給の契約社員である。家賃が低い隣の県から都心まで通っている。
早朝からがむしゃらに自宅へ戻り、何とか始業に間に合わせた。
昨日と同じ服で出社する度胸はなかった。