心をすくう二番目の君
「やっぱり。熱があるんですねっ!?」
目を見開き咄嗟に身を引こうとした人の肌は、熱く火照っていた。
「もう帰られたらどうですか?」
「……まだ返さないといけないメールがある……」
「わたしがやっておきます。詳細図ですよね?」
「細かい間違いがあったから……修正しないと」
わたしの把握していない手直しだと思われた。
唇を一文字に結び視線を落とした顔には、不満が滲んでしまっただろう。
「何て顔してんの。平気だから」
「……わたし、解熱剤持ってるので。取って来ます」
腰を浮かすと、腕を熱の篭った掌に握られて、びくりと肩を震わせた。
引き留められて、その顔を振り返る。
「……もうちょっとしたら、戻るから。それまで、居てよ」
虚ろな瞳で、子どものようなことを言う。
上目遣いに、心を持って行かれてしまった。
目が泳いで、中薗さんのキャメルの革靴が映り込む。
瞬きの回数だけが増えて、何の言葉も返せずに、ただ誘われるまま再び腰を下ろした。