心をすくう二番目の君
眼前の切れ長の瞳も、何処か揺れているように見えた。
──あ、なんかもう限界。
無理だ。
階段の向こうから響く雨の音を耳が拾っている。
「…………なんで? ……そんな……思わせぶりなこと言うの?」
押し留めようと理性が訴え掛けてくるのに、ブレーキが働かず声になって漏れる。
わたしの方だって本音を言うべきではないと、理解していたはずだった。
「わたしのことなんて、何とも思ってない癖に……また嘘ですか?」
「……嘘じゃな」
「本当のこと言って下さい、……っ、そんな……」
何を言われたとしたって、躱していないといけなかった。
「………………っ……」
涙が溢れて目尻に滲んだことを感じ取り、両手で口元を抑えた。
ただの同僚だって、何とも思ってないって、はっきり言ってくれたらいいと、身勝手な思いが勝ってしまった。
この人だってそれくらいには大人かと、わきまえているかと信じていた。
「……本当のことって…………」
中薗さんは眉を顰めて左手を口元へ持ち上げると、何か思い描いている。
困らせていると解っているのに、傷付いた胸元が軋んだ。
しかし次の瞬間、彼が告げた言葉に耳を疑った。