心をすくう二番目の君

「併設協議図の件、連絡遅れてるからちょっと待っててね」

席へやってきてデスクに片手を付いたかと思うと、付箋が貼り付けられた。
記された内容に目を通す。

『今日飯行ける? OK NG』

予想外の可愛らしいお誘いに、憂鬱な気分は影を潜め、心弾ませてしまう。

「……わかりましたー……」

図面について了承している振りをしながら、『OK』に丸を付けた。
顔を見合わせると、何とも楽しそうに目を細めていて、それにも心臓を掴まれた。
足取り軽そうに自席へ戻って行く。

……なんかこの人……思ってたより嬉しそうなんだけど……。
もしかして、もしかしなくても……浮かれてません……?

考えてみれば、“ネミ”さんと10年以上付き合って来たということは、他の女子とほぼ付き合ったことがないのではないだろうか。
……浮気などをして来なかったのであれば。
実に久しぶりの新たな恋なのだろう。

もう少し澄ましている人かと思っていたのに、存外あどけない顔を持っている。
また新しい一面を見つけた。

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