心をすくう二番目の君
ゆっくりと、唇を合わせた。
ささやかに顔を離し絡み合った視線は、熱を帯びている。
一度で終わるはずがなかった。
再度重なった唇は、次第に深い口づけに変化する。
「……っ」
開放を促した彼の舌を、受け入れてしまった。
空いている左手でわたしの右手を取ると、指先を絡ませる。
押し寄せる波の如く口内を這う舌に、甘く懐柔されているかのようだった。
それでも頭の片隅に残された配慮が働いたのだろう。
お互い、溺れる前に顔を遠ざけたように感じた。
吐息を漏らす目の前の表情が色っぽく、まだ足りないと訴えんばかりの焦がれたような瞳が飛び込んで来る。
吸い寄せられてしまいそうで、顔を背けた。
こんな艶かしいキスをしてしまっては、もっと先が知りたくなる。
危険な予感が増幅して行く。
言葉少なに歩いた駅までの帰り道、幾度も手を繋ぎたい衝動に襲われたが、必死で抑えた。