外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
「っ……」


驚いて反射的に身を引こうとすると、それより一瞬早く彼の手に力がこもった。
頭を掻き抱かれたまま、背中に回ってきたもう片方の腕に抱きしめられる。


奏介の愛車のレクサスはゆったりしているけど、所詮は車内、スペースは限られている。
奏介が私の唇を貪る音がいやらしく響いて、背筋がゾクゾクしてしまう。


「奏介、ま、って」


呼吸は全然落ち着いていなかった。
そこにこんなに熱く深いキスをされて、私は胸を喘がせた。
彼の胸を叩いて懇願すると、ちゃんと伝わったのか、私の唇を解放してくれた。


「ふ、あ……」


それでも、咄嗟に上手く呼吸ができない。
生理的に浮かんだ涙が私の目尻から伝い落ちるのを見て、奏介はそっと指先で掬い取った。
仕草はとても優しいのに、至近距離から私を射貫く瞳は鋭い。


「奏……」

「なぜ、兄貴にパンツを見られるようなことになった?」


奏介の唇が動くのを、涙でぼやける視界で見ていたから、その言葉を発したのが紛れもなく彼だということはわかった。
だけど……。


「っ、へっ!?」


一瞬言われた意味がわからず、私の反応は一拍遅れて、しかも随分とひっくり返った声になってしまった。
そのせいで、惚けた、とでも誤解を招いたのかもしれない。
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