外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
そして、私の肩を押して助手席に戻すと、自分は先にシートベルトを締める。
無言で前に向き直り、エンジンをかけるのを見て、私も急いでシートベルトに手を伸ばした。
奏介は、私がしっかりと締めるのを横目で確認すると、ブレーキを解除して車を発進させた。
相変わらず丁寧なアクセル操作で、車は滑らかに走り出す。


理解したとは言っても、先ほどの嫌味を聞く限り相当呆れているんだろう。
涼し気でありながら、やっぱりどこか渋い横顔だけ見ていると、私は肩も首も縮込めて助手席で小さくなった。


それでも、とりあえず奏介の心も鎮まったようだ。
そう感じて、私はホッと胸を撫で下ろした。
ところが。


「……しかし、気が済まない。七瀬、君に罰を与える」


奏介は自分の中でなにかを完結させて、まっすぐフロントガラスを見据えたまま、私に告げた。


「帰ったら即執行だ。いいな」

「へっ……」


なにやら物騒なことをとても冷酷に言われた気がして、私はギョッとして上擦った声をあげた。


「ば、罰って」

「七瀬は自分の非を認めただろう」


淡々と言葉を重ねられて、私の頬が意思に反して引き攣った。
笑って誤魔化せればよかったのに、ぎこちなく強張ってしまったせいで、奏介の不機嫌を増長させてしまったようだ。
彼は、鋭い横目を私に向けてくる。
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