外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
先週からずっと、奏介は私の隣で眠るために、帰ってきてくれた。
いつも日付が変わってからで、シャワーを浴びて、私を一度ぎゅっと抱きしめて、同じベッドで寄り添って眠る。
ほんの数時間眠るだけの帰宅で、彼が家でできることはそれだけ。


私に約束したから、守ろうとしてくれている、と思うこともできた。
だけど、違う。
たぶん、やっぱり、納得いかずにいるんだろう。


私が藤悟さんにお茶を教わることを、彼は『男のつまらない嫉妬だ』と言った。
私はいまだに『染まる』の意味を感じ取れないけれど、もしも奏介に、他の女性の色を感じる部分があったら?
私もそれは嫌だと思うから、気にしなくていいことではない。


一晩中彼の体温を感じて、幸せな気持ちで眠れても、夜明けと同時にベッドから出て、一人で先に出勤する彼を見送るのが切ない。
奏介が私を応援するために我慢して、仕事でも無理を重ねているのを痛感する。


ちゃんとわかっているのに、どうするのが正しいのか、私は正解を見出すことができない。
だから、奏介になんて言ってあげればいいかわからない。


ただでさえ、そんな状況下なのだ。
本当は、これ以上奏介に余計な心配をかけたくないのが本音だけど、なつみの忠告が胸に沁みた。
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