外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
でも、本当はわかってる。
奏介の場合は、きっとそれだけじゃない。
彼は今までずっと仕事に追われていたから、身体的な疲れも半端じゃないはずだ。
私と水入らずというよりも、ゆっくりと身体を休めたいのが本心だろう。


奏介の本職が弁護士でも、実家の家業は変わらない。
きっとこれからも、休日のお茶会の手伝いに呼ばれることはあると思う。
そんな時、私がもっと役に立てれば、奏介にはちゃんと休んでもらえるのかな……。
早朝から実家に向けて車を運転する奏介に申し訳ない気持ちで、私はそっと肩を竦めた。


私と奏介は勤務先が同じビルとはいえ、普段は特段接点もない。
出会いは半年前。
彼が落としたビルの入館証を、私が拾って連絡した……という、偶然がきっかけだった。
『お礼に食事でも』と誘われたのが始まり。


それから二週間で奏介から交際を申し込まれ、四ヵ月目でプロポーズ。
その二ヵ月後に入籍……世間一般的にも『スピード婚』と言われる部類だと思う。


恋人としての付き合いは短いけど、奏介が私のことを本当に大事に愛してくれてるのはいつも感じられる。
もちろん、私だって負けないくらい彼を愛してる。
出会って間もなくても、奏介との結婚に迷いはなかった。
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