外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
服装や髪形一つで、人間の見た目の印象は大きく左右される。
それは、オフィスビルの総合受付で毎日たくさんの人を見ている私も、常日頃から感じることだ。


「招待客が名指しされた以上、親父やお袋、兄貴の耳に入れておきたいが、これだけの人出の中、情報を知る人間が増えると、無駄な混乱に繋がる可能性もある」


奏介が忌々しく呟くのを聞いて、私もそっと顔を上げた。


「俺をここに留め置き、法廷に立てないようにするのが目的だろうから、ターゲットに危害を加えるとまでは考えにくいが……今もどこかで俺を見張っているとしたら」


奏介が額に手を当てて、苦しげに顔を歪める。


「もしここから俺が出ていき、法廷に向かったりしたら……」


弱々しく尻すぼみになる声を聞いて、私の胸がドクッと強く疼いた。
このままでは、今日一日、無事に終わるのを見届けるために、彼はここに足止めを食らってしまう。
午後からの上告審に代理人として立てない。


私は、無意識にゴクッと唾を飲んだ。
時間は午前十時をちょっと回ったところだ。
お茶会はこれからが本番。
奏介が言う通り、脅迫状の主は、もうどこかに入り込んでいるのだろうか。
それとも、これから?
< 194 / 226 >

この作品をシェア

pagetop