外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
この後、奏介も正装で屋敷内を歩き回ることになる。
ここは不審に思わせないよう、そう言って濁した。
それを聞いて、お弟子さんは「あら残念」と零す。
「もし奏介さんが一席でもお茶席設けるようだったら、もっと女性客集まるのに。茶道界の第一線から離れられても、今でも根強く残っているんですよ、奏介さんのファン」
「ファン……」
それには私も、なんだか複雑な思いで苦笑した。
自分の旦那様が今でもファンがいるほど素敵な人なんだ、と再認識することはできても、彼に女性が群がるのを見るのは、やっぱりちょっと心穏やかではない。
とりあえず、奏介の話題から離れようとして、私がいない間の受付簿を見せてもらった。
さっと目を走らせ、奏介の話に出てきた三人の名前を探す。
お義母さんの午前中の茶席で正客を務めるという、『神田登紀子』さんの名前を見つけた。
お義父さんの上客である、『橋本真澄』という名はまだ見当たらない。
そして……私たちが探すべき、『牧野晴彦』という名もない。
もちろん、奏介も言っていた通り偽名を使うだろうけれど、名指しした内の一人は、もう来場しているのだ。
『牧野晴彦』という北国電子産業の社員も、もうすでに受付を済ませて、どこかに潜んでいると考えていい。
ここは不審に思わせないよう、そう言って濁した。
それを聞いて、お弟子さんは「あら残念」と零す。
「もし奏介さんが一席でもお茶席設けるようだったら、もっと女性客集まるのに。茶道界の第一線から離れられても、今でも根強く残っているんですよ、奏介さんのファン」
「ファン……」
それには私も、なんだか複雑な思いで苦笑した。
自分の旦那様が今でもファンがいるほど素敵な人なんだ、と再認識することはできても、彼に女性が群がるのを見るのは、やっぱりちょっと心穏やかではない。
とりあえず、奏介の話題から離れようとして、私がいない間の受付簿を見せてもらった。
さっと目を走らせ、奏介の話に出てきた三人の名前を探す。
お義母さんの午前中の茶席で正客を務めるという、『神田登紀子』さんの名前を見つけた。
お義父さんの上客である、『橋本真澄』という名はまだ見当たらない。
そして……私たちが探すべき、『牧野晴彦』という名もない。
もちろん、奏介も言っていた通り偽名を使うだろうけれど、名指しした内の一人は、もう来場しているのだ。
『牧野晴彦』という北国電子産業の社員も、もうすでに受付を済ませて、どこかに潜んでいると考えていい。