外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
「ん?」


バッグに手を突っ込み、ゴソゴソと漁る。
メールが着信したようで、私は早速受信メールを開いた。
そして、思わず「あ」と明るい声をあげる。
私の背後で、なつみが反応して振り返った。


「なーに? 随分と弾んだ声」


彼女がニヤニヤしながら訊ねてくる。


「もしかして、旦那様?」


からかい口調で畳みかけられ、私は慌てて首を横に振った。


「違う違う。お義兄さん」


私はなつみにそう返事をしながら、メールをスクロールして最後まで目を通した。
なつみが、「お義兄さん?」と聞き返してくる。


「そう。さっき話したでしょ? 奏介の代わりに、お義兄さんがお作法教えてくれるって。早速、連絡くれて」


私は藤悟さんのメールを見直し、私は無意識に顔を綻ばせてしまった。


『可愛いお弟子さん、これからよろしく。日程は現在調整中。日時の候補はまた改めて連絡します』


なんて。
なんとも律儀なご挨拶のメール。
奏介のお兄さんだもの。
やっぱり藤悟さんはいい人だ。


私はさっと指を動かし、お礼を返信した。
送信完了を見届けて、スマホをバッグに戻す。


「ねえ。そのお義兄さんも、旦那さんみたいにイケメン?」


気付くと、なつみが私の肩越しに手元を覗き込んでいた。
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