お見合い相手は俺様専務!?（仮）新婚生活はじめます

自己解決で焦りを消し去ったら、迷惑な酔い方をする彼が「ルームメイトって可愛い？」と、どうでもいい質問をしてくる。

「可愛い……ところもあります」とデレた時の彰人を思い浮かべて答える。


「そっか。それなら、三人プレイもいいな……」

「三人プレイ？　どういう意味ですか？」

「なんでもない。酔い潰れた男のたわ言だから気にしないで」


泥酔している人って、『酔ってないよ』と言うものだと思っていたけど、成田さんはその自覚があるみたい。

それだけ頭が働くなら、もっと足にも力を入れて駅まで歩いてほしかったと思い、不満をため息に混ぜて吐き出した。


それからは無言で数分が過ぎ、ビルの出入り口に眩しい車のライトが見えた。

エンジンとドアの開閉の音もして、その後すぐに「莉子！」と呼びかけ、ビルに入ってくる彰人の姿を目にした。


成田さんは私の膝から頭を離して姿勢を直し、「ルームメイトって……男？」と驚きを口にしている。

「そうです」と淡白に答えて立ち上がり、私と向かい合った彰人に「ありがとう」と再度お礼を言った。