お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
見た目に表れてはいないが、彰人はビール一杯で酔っ払っているのだろうか。

「まさか、私の親と友達付き合いする気なの?」と眉をひそめて問いかければ、彼は枝豆をつまんだ右手を、なぜか私の顔に近づけた。

反射的に口を開けてしまったら、さやから飛び出した豆が私の鼻に当たって、テーブル上に転がった。

「痛っ!」と驚き、鼻の頭をこする私を見て、彼はいたずら成功とばかりに肩を揺すって笑っている。


酔っているんだね……駄目だ、話にならない。


深いため息をついた私は、食べ終えた食器を片付けようと立ち上がる。

すると彼に腕を強く引っ張られて、「キャッ!」と驚きの声をあげた。


尻餅をついた場所は、部屋着姿の彰人の膝の上。

横座りの姿勢でのっかってしまい、目線がほぼ同じ高さにある端正な顔が、拳ふたつ分の近距離にあった。


鼓動が大きく跳ねて、私が悪いわけではないのに、つい「ごめん!」と謝ってしまう。

急いで彼の膝から下りようとした私だが、体に逞しい腕を回されて、放してもらえない。

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