お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
動揺して震える声で「ちょっと、酔いすぎだよ」と指摘したが、「俺はビールなら二リットル飲んでも酔わない」とニヤリとして言い返された。

それならば、なにを企んでこんなことをするのか……。


彼がさらに顔を近づけて、私と額を合わせるから、心臓が口から飛び出しそうになる。

拒否の言葉も出せないほどに驚いていた。

息のかかる距離で、瞳を甘く艶めかせる彼は、「ありがとう」と私にお礼を言った。


「嬉しかった。俺との生活を続けるために、必死に戦ってくれたお前が……」


ま、待ってよ。急になにを言うのよ……。

私の顔は熱く火照り、驚きと戸惑いの中に落とされていた。

至近距離にある彼の頬も、心なしか赤い気がする。

照れながら、『嬉しかった』と口にした彼は、デレモードに入っているようだけど、いつもと違い、会話を切り上げて逃げようとする気配はない。

私の目を見つめたままで、男の色気を溢れさせるから、私の方が恥ずかしくて逃げ出したくなる。

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