お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
均整の取れたその筋肉美は、シークレットが出た時並に刺激的で、私は目を丸くする。

脱いだ部屋着はクイーンサイズのベッドの上に置いてあり、彼の片手はハンガーにかけられたワイシャツに伸びていて、どうやら着替え中であった様子。


飛び込んできた私に眉を寄せ、「大胆な覗きだな」と彰人は文句を言う。

「ご、ごめん。着替えてると思わなかったから……」と言い訳し、慌てて背を向ければ、ドキドキとうるさく鳴り立てる自分の心音に気がついた。


「嘘つけ」とからかうような声の調子で責める彼は、「本当は俺の裸を狙ってたんだろ?」と笑って言う。


「違うよ! 私はたまチョコのーー」


後ろにワイシャツを羽織った音が聞こえたので、反論しながら振り向けば、また心臓が跳ねた。

ワイシャツを着ていても、まだボタンは閉められていないため、合わせ目の隙間に裸の胸が見えている。

うろたえて俯けば彼を面白がらせてしまい、クククと意地悪な笑い方をする彼が、私の目の前に立った。

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