無敵の剣
思わず口をついて出る



そこに当の本人がいることは、気づいてる

「誰が馬鹿だと?」


「土方さんの事でしょう?」


沖田さんがにこやかに言う



「お前だろ! 寝てろって、何度言えばわかるんだ!! おまけに無断で何してんだよ!!この馬鹿野郎!!」


ゴンッ




病人に容赦ない拳骨



「私に会いに来てくれたんだ
馬鹿とはなんだ!
沖田さん!大丈夫?」


「うん!大丈夫!!ケホッ」


「甘えるな!!離れろ!!」


土方さんが沖田さんを遠ざける



「副長? 斎藤とは?」


「まだだ」


「まだって…」 これからみたいじゃないか

しかも、口づけの痕をつけてたなんて
許せない!!!


「昨日は、騒がしくて悪かったな」


「ここは、溜まり場じゃない
皆、帰ってくれ!」


「一緒に帰りましょう」


沖田さんの強請る声


私は、これに弱かったな



「帰らない
ゼンさんから、広島に行かないかって
誘われているんだ
女として生きるなら、刀とは無縁でいたい
こう見えて、女のやることは一通り出来る
目が見えなくても、ちゃんとな」










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