無敵の剣
翌日 朝餉を作る前に
片づけからしなければいけない有様に
ため息を漏らす

 

「すみません」



落ち込んでいるらしい、深雪の声


「不向きなのに頑張ろうとしたんだろ?
ありがとう」



腹は減っていなかったが
夕餉がなかった理由がこれなのだと
理解して、笑えてくる



「ぷふっ」


「不器用ですよ!どうせ!!!」


「化粧は、上手じゃないか
私にしてくれるんだろ?」


「はい!!!」



コロッと機嫌を良くする



「ふふふっ 斎藤さんの事を好きな事に
変わりはないのですが
女同士、こういう暮らしも良いですね!」


「そうだな
思い出すな…
あの時は、彼女が盲目で
でも、料理してたな…」


「もう!!!」


「クスクスッ 時々作る私の料理を
美味しいと言ってくれた姿は
深雪とにてたな」


「どういう意味です?」


「幸せそうに見えた」


「幸せですよ!食べるって生きている
って感じがするでしょう?」


「なるほど…」








< 138 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop