無敵の剣
起きているだろうけど
寝ているかもしれない

そう思うと声をかけられなかった



ただ




土方さんのそばにきたかった




「…なんだ お前か」



土方さんが部屋から出て来て、ため息


「威かすなよ
どうした? 寝れないのか?」


「……」



「ん…? ……お前…平助といた?」


パサッ



土方さんが私に羽織を掛けてくれた

その羽織は、今まで着ていた土方さんの
温もりとにおいがした


ぎゅうっと羽織をつまみ、俯く


ゼンさん…


多分、藤堂さんの事、気づいてたはず
鼻が利くから


広島で伊東さんに確かめたとしたら


やはり




ゼンさんは、口封じに殺される




「なんで… 平助のにおいすんだよ…」




土方さんが私の肩を抱き寄せる





そっと唇に柔らかい感触




土方さんの手が肩から、頬へ



私は、そっとまぶたを閉じる



再び唇に温かく柔らかい感触





「期待させんなって…」




そうだった…


ダメだとわかってるのに…




「眠れなくて……藤堂さんと散歩した」



「そうか… 仕事手伝えと言いたいとこだが、目が見えねぇもんな」



私は、羽織を土方さんに渡した



「お邪魔しました!仕事頑張って下さい!」










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