無敵の剣
「沖田さん… 私は、邪魔なのかな…」


「私よりは、邪魔じゃないですよ」


「そんなこと言うな」


「斎藤君もね 一君って呼んでいい?」


「ああ」


「私は、土方さんに腹立てているんだよ
だから、一君がここに来る事も反対しなかった…」



そういえば…


2人の仲が険悪だと聞いたな…



「一君に無理をさせていることが許せない
スースー…」



は?



もう、寝たのか!?


呆気にとられていると




土方さんが見舞いにやって来た




「お前… 総司も男だぞ…」


「御幸が、看病し易いだろうと…」



沖田さん!!  起きて!!
気まずいんだって!!



「これ、平助の髪紐で作ってみた」


「き……器用ですね
……ありがとうございます」


「熱あんのに、悪かったな…
体、大事にな」



髪紐が、可愛い花になっていた


私は、それを胸元に仕舞い

額の手拭いを目までおろした




「なんだ… 土方さんちゃんと泣かせてくれてるじゃないですか」





沖田さん、起きてたんだ?



嬉しかった




私が泣けないこと…
ちゃんと気づいてくれていた





誤解しているとはいえ、平助の髪紐で
私への贈り物を手作りしてくれた





「よかったね!斎藤君!」






呼び名が戻っていることは、気になったが



「…う゛ん」






今は、泣こう























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