無敵の剣
近藤さんに止められて

再試合は、出来なかった




勝った気がしない!!!




ムスッとしていると

「なんで斎藤が不機嫌なんだよ~?」




永倉さんがからんでくる



「うるさいっ!あっちいけ!」








そんな私を見て



「クククッ」



笑う土方さん




隊士らが、珍しい物を見る目で、土方さんを凝視する

土方さんの笑うところを見たことないのか





〝鬼の副長〟は、健在なようだ








「実戦は、みっともないくらいに
勝ちにこだわることだ
突き技が、突くときよりも
引くときが重要なように
出陣するときよりも、帰還するときの方が
大変だ
永倉さんとの試合、私は十分な体力が残らず、正直フラフラだ
万が一、最後の技が決まらなかったら
死んでいたし、逃げられても
追う力はない
私は、もっと強くなりたい!」




悔しさを言葉にした





「斎藤さん!
俺… もっと強くなるから!!!
また、お手合わせお願いします!!!」





「こちらこそ、よろしく頼む」








私は、言葉にすることが得意ではない






強くなる




その努力をしている姿を見せることが
皆の士気を高めると考えた






皆に自信を持って貰い、導いていかなくては…






「ああ、言い忘れてたな、おかえり」





土方さんがニヤッと口角を上げた






「ははっ ただいま」







土方さんのそばに帰って来たと
実感した

























< 260 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop