無敵の剣
「すみませーん!熟睡してまして!」


総司の呑気さを倍増させたような冨山が
えへっと、笑って言い訳をした



「山口は?」

「すっごく疲れたから、休んで
それから、泳ぐと言ってました!」



船を見れば、先ほどよりも沈み
休んでいる暇さえ残りわずかだろう

また天候が悪くなるやもしれない
小船を出して犠牲者を増やす事は、できない



俺は、無力さにもう一度松を殴り
額を松に当てた




今まで、幾度も無茶をするアイツに
俺は、何もしてやれなかった

これから


これから、アイツを



一を幸せにするつもりだったのに…





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