無敵の剣
「斎藤さん… ご迷惑ですか?」


「迷惑とは、思わない
ただ、相手が違うと言っているだけだ」


「そう言われても、心が斎藤さんって
言ってるんです!
斎藤さん!好物は何?私、作ります!」




いや、その不器用さでは無理だろう



深雪の手元を見る


雪のように、細い指



「深雪の好物は?」


「え?」


「なんだ」


「みたらし団子です!!」



おかずを聞いたつもりなんだが…



「作ってやろう」


「え? え? 斎藤さんが!?」


「みたらし団子は、簡単だ」


「嬉しい!!!」








その喜びの表情も見たことがあった











松本先生が来る日は、少し良い着物を着て
化粧をしていた


土産だと、菓子を渡されると
雪は、とびきり笑顔になる



菓子が嬉しいのではない

先生が、雪の為に選んでくれたからだ










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