無敵の剣
「美味しぃです~」


深雪よりも喜んでくれたのは、沖田さんだ


頬に手を当てて、ニコニコする


「総司は、甘味が好きなんだよ」


近藤さんが教えてくれた


見ればわかる と、言いたいところだ




雪は、私の作る煮物…

好きだと言ってくれたな




集落の皆を思い出す


元気かな…




「そういや、斎藤!
料理も絶品だったよな!?」



「凄い!!食べたい!!」



永倉さん… 余計なことを…


「じゃあ、今度ここに泊まるといい
夕餉を斎藤君に頼もう」


「……はい」











考えながら、庭に視線をやる



そっと、草履を履く

「ネコ」  「にゃっ」



私とネコが壁に向かい走る



壁に上がると同時に抜刀した



「コソ泥の趣味でもあるのか?」

「にやぁーん」


壁をよじ登ろうとしていたゼンさんに
微笑む


「あは… あははっ 
一!ネコ!久しぶり!」


「門から回ってきてよ」



刀をしまい、皆のところへ



「斎藤さん…」


深雪が、不安そうに私を見る


「私の友だ」




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