無敵の剣
誰にも負けたくない
本命は、池田屋だった 



土方組が、池田屋へたどり着くと
悠々と会津藩が現れた


応援を頼んでいたのに… 今頃…



池田屋の中は、近藤組だけ…



いや、近藤組だけで十分だ



「土方さん ここは、譲ってはいけない」


上司である会津藩といえども
手柄を横取りされるのは、御免だ


「当たりめぇだ」


目を合わせ微笑み合った




「ハジメ… 新選組に下ったと言う噂は
本当だったんだな…」




本日の指揮官らしい男が、馬上から
私を見下ろした



ハジメ?


壱は、ハジメと名乗っているのか?



今は、会津にいないということ?




いけない、壱の事は後だ!
今はこの手柄を守らねば!





「応援、感謝申し上げる
しかし、捕り物は終えた
お引き取り願おう
あとは、新選組のみで十分だ」




まだ中では、戦いが続いているだろうが

一か八か、冷静に嘘をつくしかない





会津藩と新選組の睨み合いが

どれくらい続いたか…







「退くぞ」








会津藩が踵を返す












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