蜜月オフィス~過保護な秘書室長に甘やかされてます~
「花澄ちゃんに彼氏いないなら、俺、立候補しちゃおうかな」
突然の申し出に、思わずむせ返りそうになる。
目に涙を浮かべながら、私は水岡先輩を睨みつけた。
「先輩、ちょっと酔ってますよね。 変なこと言わないでください」
「酔ってないし、ふざけてもいないって。これでも結構真面目に言ってるんだけどな」
水岡先輩は心外だといった表情から、言葉通り真面目な顔へと変化させていく。
「気付いてたとは思うけど、高校の時、俺は花澄ちゃんのことずっと好きだったんだよ。こうしていると、あの頃の気持ちが蘇ってくる。また俺、花澄ちゃんのこと好きになっちゃうかも」
彼からの熱い眼差しを直視できなくなり、私は自分の膝の上へと視線を落とした。
確かに高校の頃、何度も水岡先輩からデートに誘われたことがある。
そのすべて断ってしまったのは……私が水岡先輩に対しあまり良い印象を持っていなかったからだ。
頭も良かったし、サッカーも上手いし、リーダーシップを発揮するその瞬間は格好いいと思うこともあったけど……水岡先輩はとにかく女好きだった。