オオカミ弁護士の餌食になりました
くすくす笑う私を、ふたりの男性ははっとしたように見下ろす。それから冷静になったのか、彼らは声のトーンを下げた。
「まあ、今日のところはこれくらいにしてやるよ、千暁」
「海斗、絶対にシスコンを治してやるからな」
これから付き合いで食事会に参加するという兄がタクシーを拾って大通りに消えていくと、香坂さんはあらためて私の手を取り、歩き出した。
ふたりで歩道を歩きながら、絡んだ指を見下ろす。
「よく考えると、不思議ですよね」
私のつぶやきに、香坂さんが「ん?」と目を向けてくる。
「家族以外では香坂さんだけですもん、私に拒絶反応を起こさせなかったのって」