オオカミ弁護士の餌食になりました

「慣らすっていっても……」

 すっかり震えの止まった手首を見下ろす。

 突然だったとはいえ、少し引っ張られたくらいで鳥肌が全身に広がるくらい拒絶反応が出たのだ。あれを繰り返すなんて、考えただけでもぞっとする。

 それに、そもそも秘密を打ち明けられる異性の知り合いだっていない。

「俺に触られるのは、平気なんだよね?」

 カウンターに置いた私の手に、静かに、手が重なった。

 どきりとはするけれど、やっぱり拒絶反応は出ない。

 私の反応を確認するようにまっすぐ視線をよこしながら、香坂さんはゆっくり指を絡めていった。

 指先から感じる体温に、心臓が騒がしくなる。鳥肌は立たなくても頬が熱くなっていく。

「あの、香坂さん」

 私の手が震え始めると、彼はそっと手を離した。

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