オオカミ弁護士の餌食になりました

 自分が悪いわけじゃないのに、どうして自分を変えなきゃいけないの、と考えてしまう。

「相変わらず、まっすぐだね」

「相変わらず、カチコチの頑固者ですよ」

「芯があっていいと思うよ」

 笑うと目尻にシワが寄る香坂さんから目をそらし、私は三角形のカクテルグラスを見つめた。

 彼は懐が深いし、私を妹みたいに思っているからよく言ってくれるけれど、この無駄に負けず嫌いな性格も、恋人をつくる障壁になっているにちがいない。

「慣れが必要だと思うんだ」

 ぽつりと言われた言葉に、「え?」と振り返る。

 香坂さんはハイボールのグラスを傾けながら、静かに言った。

「トラウマを克服するために一番効果的なのは荒療治らしいよ。真凛ちゃんのそれも、慣らしていけば治るかもしれない」

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