オオカミ弁護士の餌食になりました
「適任だと思うんだよな。ある程度触ることができるけど、家族ではない異性。君のまわりに、俺みたいな男はいる?」
「いません、けど」
「じゃあ、俺と荒療治、試してみない?」
水槽の青い光が反射した瞳に見つめられ、思わず目を逸らした。
「それとも、俺が相手じゃ力不足かな」
「そんな、まさか」
とっさに目を戻した。
「香坂さんはかっこいいし、紳士だし、弁護士だし、完璧人間ですよ」
勢いのまま口にした私の本音を聞いて、彼はふっと微笑む。
「それは光栄だ」
「でも、だからこそ申し訳ないです」
「ん?」
「香坂さんの貴重な時間を、私のトラウマに付き合わせるなんて、もったいないです」