オオカミ弁護士の餌食になりました
兄の海斗ですら、家の中は放っておけばひとりでにきれいになるとでも思っているようで、手伝ってくれたことは一度もない。
でも、香坂さんだけはちがった。
「真凛ちゃん、ごめんね。片付け手伝うよ」
そう言って、袋にゴミを集め、洗い物をして、そのまま部屋に掃除機をかけてくれることもあった。
「そろそろ学校でしょ。あとは俺がやっておくから」
そんなふうに気遣ってくれるのは、香坂さんだけだった。
彼が本当のお兄ちゃんだったらよかったのに、と何度考えたことだろう。