オオカミ弁護士の餌食になりました
「いつも昼はどうしてる?」
「リフレッシュスペースで適当に食べてます。コンビニのサンドイッチが多いかな」
「へえ、弁当は作らないのか。真凛は料理もうまいのに」
「……朝に弱いので」
胸の奥がむずむずするのを感じながら、私はローストビーフにトリュフソースを絡めた。
頬が緩みそうになって、下唇を噛んで耐える。
昔、香坂さんが家に来ていた頃、何度か夕飯の食卓を兄と三人で囲んだことがある。
彼はいつも「おいしい」と口にしてくれていたけれど、社交辞令だとばかり思っていた。