オオカミ弁護士の餌食になりました
午後七時。ホテルの四十階にあるこのスカイバンケットは全面ガラス張りになっていて、東京のランドマークタワーや高層ビル群の灯りを一望できる。
そこここで談笑をしているのは兄と同期の書士仲間や、取引先の人たちらしい。
兄よりも年かさに見える落ち着いた雰囲気の人ばかりで、男性も女性もジャケットを着用している確率が高かった。
アイボリーと淡いピンクのバイカラードレス姿の自分を省みる。
少し華美だったかな。せめてボレロを羽織ってくればよかった。
フリルデザインの袖から伸びた自分の腕を見下ろしていると、ふいに周りが騒がしくなった。
壇上で、光沢感のあるショートタキシードに身を包んだ人物がマイクを握る。